2008年9月18日木曜日

蝉の気持ち

山の上、
緑に囲まれる岩国城にたった。

蝉が大いに鳴いている。
どうやらこの歴史ある人間様の城の存在に気づいていないようだ。


あ、、
それはちょうど、
俺が歴史ある蝉様の城に気づけないのと同じかもしれない。


よく考えるんだ。
蝉の気持ちについて。
俺にはどうにも蝉の気持ちが分からない。

蝉に名前はついているんだろうか。
名前がついていなかったら彼らは個体をどう識別するんだろうか。
仮に匂いで識別するとしたら、その場にいない彼のことをどう表現するんだろうか。
彼の匂いを出して、彼っぽさを表現すんだろうか。

トンボの気持ちも分からないし、
家のドアの前に時々いるカナブンの気持ちも分からない。

果たして、人間以外の生き物は、その場にいない第三者のことをどう表現するんだろう。

そんなのないのかな。
彼らの世界の中には。


いや、わかんないよね。
意外と、蝉にペットとかいるかもしれないし。

つくづく、宇宙は同じ空間の中でも複雑に交錯しているもんだ。



そんなことを考え出すと、
ほんとにもう世の中分からないことだらけだ。

無知の知、

とどっかの誰かがいったけど、
知った風な態度を取り続ける人は、どうにも息苦しく見える。
そもそも知らないということは本当に楽しいのに。

勝手な空想をする瞬間、俺の頭んなかは50m走をしている。
突っ走ると気分がいい。
疲れ果て、よく寝られる。

仕事も旅も何もかも同じだ。


すべてを知った瞬間、すべてが終わってしまう気がする。
だから、いつでも健全に知らない、という状態でありたい。
それは決して立ち止まろうと言っているのではなく。
無責任でいようと言っているのではなく。





なんか今、蝉の気持ちを垣間見た気がした。

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