山の上、
緑に囲まれる岩国城にたった。
蝉が大いに鳴いている。
どうやらこの歴史ある人間様の城の存在に気づいていないようだ。
あ、、
それはちょうど、
俺が歴史ある蝉様の城に気づけないのと同じかもしれない。
よく考えるんだ。
蝉の気持ちについて。
俺にはどうにも蝉の気持ちが分からない。
蝉に名前はついているんだろうか。
名前がついていなかったら彼らは個体をどう識別するんだろうか。
仮に匂いで識別するとしたら、その場にいない彼のことをどう表現するんだろうか。
彼の匂いを出して、彼っぽさを表現すんだろうか。
トンボの気持ちも分からないし、
家のドアの前に時々いるカナブンの気持ちも分からない。
果たして、人間以外の生き物は、その場にいない第三者のことをどう表現するんだろう。
そんなのないのかな。
彼らの世界の中には。
いや、わかんないよね。
意外と、蝉にペットとかいるかもしれないし。
つくづく、宇宙は同じ空間の中でも複雑に交錯しているもんだ。
そんなことを考え出すと、
ほんとにもう世の中分からないことだらけだ。
無知の知、
とどっかの誰かがいったけど、
知った風な態度を取り続ける人は、どうにも息苦しく見える。
そもそも知らないということは本当に楽しいのに。
勝手な空想をする瞬間、俺の頭んなかは50m走をしている。
突っ走ると気分がいい。
疲れ果て、よく寝られる。
仕事も旅も何もかも同じだ。
すべてを知った瞬間、すべてが終わってしまう気がする。
だから、いつでも健全に知らない、という状態でありたい。
それは決して立ち止まろうと言っているのではなく。
無責任でいようと言っているのではなく。
なんか今、蝉の気持ちを垣間見た気がした。
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