2006年7月5日水曜日

ドルトムントに描いた幻影

彼のペルージャでの最初の試合は俺も興奮したもんさ。

日本時間、深夜0時過ぎ。入団会見をクールに決めてみせた日本の一人の若者が、世界最強と信じていたイタリアセリエAのピッチに立っていた。そしてあれよあれよと、サッカー通ではない俺でも知ってるユベントス相手に2点を取ったのだ。たしか放送していたのはフジテレビだった。あのスタジオの騒然とした雰囲気は今でも鮮明に蘇ってくる。

野茂がメジャーリーグでトルネードブームを起こしたときもそれは胸が躍った。晴天の中行われるデーゲーム、彼が先発する日はたいがい朝からテレビに食い入った。中でも特に印象に残っているのが、一年目のオールスターの先発投手を務めた試合と、二年目のノーヒッターになった試合だ。オールスターのときは俺の人生においてそれが最重要だったのでもちろん一球も見逃すことはなかったが、ノーヒッターになった時もすし屋の出前のバイト中、軽自動車についているチープなAMラジオでそのすべてを聞き遂げることができたのだ。それまで被安打1や2の試合が多々あり、予兆があっただけに、フロックではない彼の快挙を同じ日本人として勝手ながら誇りに思ったもんだった。

格闘技界では桜庭という、高田信彦や船木、三沢など寡黙で地味な格闘家とは一線を画したIQレスラーが台頭してきて。その、なんつーの、アルティメットファイトのオクタゴンの世界で一世を風靡したグレイシー一族を、爽快に片っ端からぶちのめしてくれてさ。何度もスロー再生したりなんかして、その勝利に酔いしれたもんだよ。


しかしだ。

すべては過去の出来事なのだ。 今年はWBC優勝のつけだろうか、それ以外どのスポーツもぱっとしねーのなんの。

サッカーのワールドカップはいうまでもなく、先週金曜日の、日本人がまともに戦えるはずのK-1中量級でマサト、小比類巻、佐藤が勝ち目なく散り、翌土曜日のプライドは、頼みの吉田がミルコに、階級で優位に立つはずの藤田がシウバにやられちまい、
#これは危うく17000円払ってさいたまスーパーアリーナで観戦するところだった。あぶんじょあぶんじょ。
そして、ラグビーのパシフィック・ファイブ・ネーションズでは、総人口84万人のフィージを含む4ヶ国を相手に、見事全敗。
女子ゴルフもメジャー大会で上位に来るのはどういうわけか韓国人選手ばかりだし、大相撲はモンゴル国民にやられっぱなしだ。 全部負けだ。

全部負け。

広島も弱いし、巨人は叩き甲斐がない。
ドラマとかお笑いとかバラエティーとかファッション誌とか漫画とか一切見ない俺は、その分、スポーツにかなり傾倒しているのであって、もうほんと今日この頃過酷な日々ですよ。

もうほんと今日この頃過酷な日々ですよ。

なんか語呂がいい。

ドルトムントに描いた幻影

とかね、出だしはスポーツライターっぽくかっこつけて書いてみようかと思ったのだが、クールを装いきれず感情的になってしまった。

やっぱ今年はWBC優勝に酔いしれてる場合だな。 もしくは、こうなったらロッテファンになるかな。

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