2006年8月26日土曜日

くじらの島の少女

夕刻、ベランダからキックボードを引っ張り出し、それを担いで丘を駆け上がった。3分ほどで頂上にたどり着く。駆け足のまま、キックボードに乗った。東のほうに夜を迎えようとする町並みが広がっている。目的地まではひたすら下りが続く。ところにより自転車で登りきれないような急勾配もあり、若干の危険ではあるが車道を車と同じくらいのスピードでかっ飛ばす。その甲斐あって新百合まで歩くとけっこうあるのだが、10分もかからずついた。

しんゆり映画祭の存在を知ったのは今年の年始ぐらいだったかな。ゲバラを題材にした映画、モーターサイクルダイアリーズを知ったのもしんゆり映画祭のウェブページだった。

そう、キックボードでかっ飛ばしたのは、これを見るためだったのだ。

しんゆり映画祭なつやすみ野外上映会@麻生中校庭

観客は意外と子連れのファミリーが多い。若者は少ない。まあ、俺も若者じゃないし。


バザーみたいな感じのお店が出ていて、餃子100円、焼きそば200円、ビールも200円と安い。


余興でサクソフォンの四重奏をやっていた。

さていよいよ映画が始まる。

祖先はクジラに乗ってやってきたという伝承を持つ、ニュージーランド・マオリ族の娘パイケア。彼女の母は出産の時になくなり、父は跡継ぎばかり望む親に反発して家を出てしまったため、族長でもある祖父の元で暮らしている。海は美しいが、村は荒れ、若者たちもどこか投げやりに日々を過ごしている。ある日、そんな状況を憂え、次の族長を選ぶための伝統を学ぶ学校が開講した。祖父を愛し、マオリの伝統を受け継ごうとするパイケアは一生懸命になるが、そんな彼女を祖父は厳しくはねつける。


全体的に陰鬱な感じだ。


何もこんな大自然を前に、そんな暗くなんなくても!と思えることも多かったが、伝統を守ろうとするマオリ族の長はいたって真剣。

途中、ここでも紹介した大好きなニュージーランド国家の一番の歌詞がマオリ語であることを思い出した。どことなく馴染みのあるフレーズで、あと一歩で分かるんじゃないかと思えてしまった。

ところで、映画の中でマオリ族伝統の踊りを伝授するシーンが登場するが、それはつまり、ハカなのだ。ラグビーを見る人なら知っていると思う。不思議とニュージーランド代表オールブラックスのみ、試合前に踊ることが許されている。ハカを見るとたまらなく血が騒ぐもんだ。

これとか

これとか

あれ?これは相手チームもやってるけど。相手はどこだろ。

おまけ。(ウマンガの真似か?)

「なんか日本人のおじさんみたいだね。」と子供に話しかける声がどこからか聞こえてきた。その、映画の本題とはまったく関係ないおばさんのコメントがつぼにはまり、おっさんが出てくるたび、おかしくなってしまった。で、よくよく考えてみると、西郷隆盛どんにそっくりなのだ。ついでに主人公の少女も誰かに似ていて、よくよく考えた結果トムハンクスだってことが分かった。そういう方向で盛り上がってしまったところもあったが、少女の演技が実に上手く、その儚げな雰囲気に終盤は飲み込まれていき・・・。

と、ようやく盛り上がってきたところで大雨が振り出す。まさに土砂降りだ。

俺は傘がなく、テントに退避するも、あんま見えなくて。。まあ、小さなお子さんに分かりづらい映画だったかな。「あ、なんであの子ないてんの?」とか、感動のシーンに疑問が多く聞こえてきたし。

ところで本祭は、10月1日(日)、10月6日(金)~10月9日(月)に開かれるそうだ。

 

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